田崎あさひ/「第3回FOREST AWARD NEW FACEオーディション」記事(その2)

アップフロントG音楽オーディション、初のWグランプリ(デ☆ビュー)

そして全員のパフォーマンスが終了後、審査結果の発表へ。3位は該当者なしで、2位には東京都在住の専門学校生・椎橋 渚さん(23)。大貫妙子の『突然の贈り物』をカバーした椎橋さん。審査員の音楽評論家・富澤一誠氏は、「声質がいい。歌唱力がないと歌えない難しい曲だが、しっかりと歌えていた」と評価。椎橋さんは「びっくりしました。この会場で歌えるだけで嬉しくて、噛みしめるように歌いました」と喜びの表情を浮かべた。

 続いて、今回特別に「ピザーラ特別賞」が設けられ、東京都在住の大学生・佐藤玖美さん(21)が受賞。「世の中や人に対する疑問、それを整理するために作詞を始めました」という佐藤さんはオリジナル曲『6月は雨』を披露。作詞においても特に高い評価が集まった。

 そして、いよいよグランプリの発表へ。

 グランプリは福岡在住の高倉周作さん(21)の手に。ステージではオリジナル曲『潜水』を披露した高倉さん。現在はソロでの弾き語りのほか、バンド活動も行っている大学生だ。「聴く人の心の奥をひっかくような音楽をやりたい」と話す。
グランプリと発表され、かなり舞い上がった様子の高倉さん。
「ものすごく嬉しいです! 最後の高い音が出なくて、自分としては不本意なステージとなったので、自分が選ばれるとは、まったく考えなかったです」と喜びを語った。
富澤氏は「オリジナリティはある。だけど少し抽象的で難しい。これからリアリティと、今の時代の中でのポピュラリティも磨いていってほしい」とアドバイスを送った。

 これで入賞者の発表は終了…と思われたが、審査員の富澤氏からサプライズ発表が。なんとグランプリがもう一名いるとのこと。参加者のレベルが高く、急遽グランプリが2名に贈られることとなった。

 名前が呼ばれたのは、東京都在住の専門学校生・長谷川萌美さん(19)。オーディションには初めてのチャレンジで、見事グランプリに。新潟県長岡出身の彼女は、「中越地震を経験し、復興に向かう様子を見てきて、この『フォレストアワード』の“Save the music,Save the Earth”の理念に共感しました」との理由で応募したという。冨澤氏は「聴いていて気持ちがよかった。感情の込め方が上手く、世界が完成している」と高評価。また「たとえばダンスにも挑戦してみたらどうか」とアドバイスも送った。